個人的な日記

個人的な日記です。

ガッカリメソメソすべり台

自由な校風に憧れて入った高校も、店構えに憧れて入社した会社も、好きになった男の子も、最後には緩やかに駄目になっていくことへの軽い絶望と諦めで後にすることになる。バブル崩壊後に生まれた私は政治に関して最初から期待も憧れも無いが「あぁ、緩やか…

苦役列車

辞令で生まれ育った首都圏を200km離れた土地に3年間住んでいた時、仕事はそれなりに忙しく苦労もあり、本気で休職を考えたこともあった。しかし嫌いな実家を離れ仕事柄年末年始も帰らなくて済み、加えてのコロナで合法的に家族と離れていたので悠々自適でも…

再編成

近所の手芸屋で毛糸と編み方の本を買った。 きっかけは背もたれ付きの椅子を買ったから。背もたれがあれば何となく編み物だって出来る気がしたのだ。店主の女性が気さくに話しかけてくれたので、私は編み物が苦手で編み目を間違えてしまっても編めてしまうの…

Virgin suicide

病める時も健やかなる時も傍に居るのは配偶者でなければならないのか? どうしようもなく病める時、布団を被って泣いている時、シャワーを浴びながら嗚咽している時、私の居場所は私にしかないと悟った時、私は恋人に連絡出来なかった。恋人は旅行に行ってい…

旅情の文章

蟲師という作品に淡幽という登場人物が出てくる。 一族に受け継がれる病で片足が墨色の彼女が、蟲に関わる物語を紙に書き写す事で少しずつ足に棲む墨色の虫が抜けていくというストーリーだ。私がこうして月に一度誰も見ていないブログに駄文を綴ったりTwitte…

開封後はお早めに

好きの反対は無関心、嫌いな人間のことは考えなければ良い。 頭でそう分かっていてもそうは行かないのが人間のさがか。さほどやり取りがない人間に少し嫌いなところがあったとして、会っていない間にその部分だけが抽出、また増幅され気がついたら心のビーカ…

n人ジェンガ

積み木は崩れることなくただ少し困ったようだった。私もたまには関係性に変化を与えないような優しいやり取りをしようと思ったのに、他人から言われて傷付いたことを日々思い出しながら常に他人に笑っていて欲しいという君の話を聞いていたら私が君に好きと…

Only lovers left arrive

多分考え方がすごく似ている。言葉端に気を遣うひとだ。 自分は良い人ではない、女の人に選ばれたことが無いという、控えめで、そんな所も多分似ている。 ボキャブラリーに捻りを加えるきらいがある。 目がコンプレックスでいつも隠している。私はその奥が見…

センチメンタル・バス

お元気ですか、こちらは元気です。自分が元気な時にそう口火を切るのは容易いが、自分が元気ではない時に「わたしはこの頃元気ではない、あなたと話したいが数分でいいので話し相手になってくれないか」と言うのは中々容易ではない。しかし元気ではない時の…

個人的な日記

春になると1年間日々微量に見て見ぬふりをしてやり過ごしてきたおいてけぼりの感情が一気に洪水となって溢れてきて情緒が映画『パプリカ』のパレード状態になってしまう。 句読点は押し流されて消えました。毎年春が嫌いだと思うのをわかりやすく言語化しよ…

塔の上で冷凍パスタ

お風呂上がりに化粧水をつけて、乳液を擦り込んで、美容液つけて、クリームパックして、そんな工程をしていると面倒臭いのと同時に「注文の多い料理店みたいだな」と思ってしまうのでピュッピュと化粧水をつけておわり、みたいなずさんなことをずっとしてい…

そこに居たもの

確かにそこに居た。 27歳までは確かに居たのだ。10代の頃その存在は忌まわしく、しかしどうにも抑えられないものでもあった。近頃性欲が無くなった。 かつては大好きな人もおり、その人とセックスしたいと切に願ったり、それは叶わなかったり、1度してしまっ…

妄想

近代以前の人間はもっと日々妄想に溢れていたのではないか、とふと冷蔵庫のありあわせごった煮ラーメンを啜りながら思う。どんぶりに描かれた中国の子供たちが何か言っている。 各方面からバッシングを受けそうだがあらゆる宗教そのものが集団の共通妄想のよ…

らららクラシック

天高く馬肥ゆる秋。 空は晴れて気持ちは緩やかに病んでいる。初めて入る微妙な喫茶店ではクラシックが流れていて、当てどなくフラフラしている私はエヴァンゲリオンの碇シンジ君になったようだった。なんとなく向こう一年以内に会社を辞める予感がして普段あ…

虫の知らせ

職場のトイレにイエユウレイグモが居た。 糸の様に細い手足を持つ儚い佇まい。私にとって「イエ」では無いが彼はそこに居を構えると決めたのか、微動だにしなかった。東京に住んでいた時それは時々現れた。 20代前半、彼氏ではない人間とベッドを共にしてい…

根の先端

私は他人から言われた不快な台詞は絶対に忘れない。 端的に言うと「根に持つタイプ」というやつだ。思い返すと枚挙に遑がないが、1から100までここに書き記すと読み返した時にムカつきそうなので止めておく。ただ1に相当するような出来事をふと思い出したの…

鰯の群れ

何だかよくわからない、息を引き取りかけたしめじと素麺を茹でたものにレトルトのタレを適当にかけたやつ。 よくある適当な午後。やろうと思ったことの1割も出来ていない休日。網戸の向こう側から脳裏に、過去が襲って来る。 時系列はめちゃくちゃで、泥酔し…

ミッドサマーと世界の矯正

話題沸騰の映画『MID SOMMER』。 主人公が訪れるスウェーデンの小さなコミューン、 ホルガ村では村の掟に従い様々な宗教行事が行われる。冒頭で視聴者に強烈な印象を刻みつける「アッテストゥパン」は日本で言う「姥捨て山」。 ホルガ村では人生を季節に例え…

温故

温故知新でなければならない。 古きをたずね、新しきを知るが理想であると先人は説いたのである。ただ私は新しきを知りたくない。 近所の喫茶店が改装工事をすると知り、 ヤニで真っ茶色の壁も、霞んでるコーヒーのメニューも、ラミネートのメニューも全部好…

2019.12.16

一概に全てとは言わないが、 90年〜00年代はなんとなく曇り空のイメージがある。私はそれが好きである。カッコーの巣の上でとか、キスミントのCMみたいな。キスミントのCMみたいな世界観で生きていたい。ドリブルはできない。昼休憩で時々行く職場からほど近…