個人的な日記

個人的な日記です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

そこに居たもの

確かにそこに居た。 27歳までは確かに居たのだ。10代の頃その存在は忌まわしく、しかしどうにも抑えられないものでもあった。近頃性欲が無くなった。 かつては大好きな人もおり、その人とセックスしたいと切に願ったり、それは叶わなかったり、1度してしまっ…

妄想

近代以前の人間はもっと日々妄想に溢れていたのではないか、とふと冷蔵庫のありあわせごった煮ラーメンを啜りながら思う。どんぶりに描かれた中国の子供たちが何か言っている。 各方面からバッシングを受けそうだがあらゆる宗教そのものが集団の共通妄想のよ…

らららクラシック

天高く馬肥ゆる秋。 空は晴れて気持ちは緩やかに病んでいる。初めて入る微妙な喫茶店ではクラシックが流れていて、当てどなくフラフラしている私はエヴァンゲリオンの碇シンジ君になったようだった。なんとなく向こう一年以内に会社を辞める予感がして普段あ…

虫の知らせ

職場のトイレにイエユウレイグモが居た。 糸の様に細い手足を持つ儚い佇まい。私にとって「イエ」では無いが彼はそこに居を構えると決めたのか、微動だにしなかった。東京に住んでいた時それは時々現れた。 20代前半、彼氏ではない人間とベッドを共にしてい…

根の先端

私は他人から言われた不快な台詞は絶対に忘れない。 端的に言うと「根に持つタイプ」というやつだ。思い返すと枚挙に遑がないが、1から100までここに書き記すと読み返した時にムカつきそうなので止めておく。ただ1に相当するような出来事をふと思い出したの…

鰯の群れ

何だかよくわからない、息を引き取りかけたしめじと素麺を茹でたものにレトルトのタレを適当にかけたやつ。 よくある適当な午後。やろうと思ったことの1割も出来ていない休日。網戸の向こう側から脳裏に、過去が襲って来る。 時系列はめちゃくちゃで、泥酔し…

ミッドサマーと世界の矯正

話題沸騰の映画『MID SOMMER』。 主人公が訪れるスウェーデンの小さなコミューン、 ホルガ村では村の掟に従い様々な宗教行事が行われる。冒頭で視聴者に強烈な印象を刻みつける「アッテストゥパン」は日本で言う「姥捨て山」。 ホルガ村では人生を季節に例え…

温故

温故知新でなければならない。 古きをたずね、新しきを知るが理想であると先人は説いたのである。ただ私は新しきを知りたくない。 近所の喫茶店が改装工事をすると知り、 ヤニで真っ茶色の壁も、霞んでるコーヒーのメニューも、ラミネートのメニューも全部好…