個人的な日記

個人的な日記です。

温故

温故知新でなければならない。
古きをたずね、新しきを知るが理想であると先人は説いたのである。

ただ私は新しきを知りたくない。
近所の喫茶店が改装工事をすると知り、
ヤニで真っ茶色の壁も、霞んでるコーヒーのメニューも、ラミネートのメニューも全部好きなのに。

改装してテーブル数を増やせばもっと土日の混雑時にも対応できるしよりいっそう利益が上がるだろう。そういうものだ。味は変わらないだろうしサービス向上のためだ。

全部が全部地下鉄のマークみたいなシンプルでわかりやすいデザインになっていくように思える。
無駄を愛する私には苦しく生きづらい風潮だ。
ロココ王朝の建築士だったら真っ青だろう。

古きをたずね、ずっとそのままでいて欲しい。
古着を売る職業をしてたって、コテコテ70sのオールドファッションなんか売れんのだ。
大好きだった高円寺の古着屋も、
よりカジュアルに、合わせやすく、知らない人みたいになっていた。

ああ苦しい。
もっと言えば、凌雲閣があった時代の日本に行ってみたい。
便利なツールがなければ出会えなかった作品や友達も沢山いるのに、気持ちのベクトルはずっと不可逆な時間の進行と逆方向に向いている。