個人的な日記

個人的な日記です。

根の先端

私は他人から言われた不快な台詞は絶対に忘れない。
端的に言うと「根に持つタイプ」というやつだ。

思い返すと枚挙に遑がないが、1から100までここに書き記すと読み返した時にムカつきそうなので止めておく。ただ1に相当するような出来事をふと思い出したので記すことにする。

幼稚園の時の事。
放課後Mちゃんの家に遊びに行った私は「好きな男の子いる?」と聞かれる。その時は本当にいなかったので、「いないよ。」と答えると「ほんのちょっとでもいいから!強いていえば誰?!」と何回も何回もしつこく聞かれたので(強いていえばという語彙は当時のMちゃんにはなかったと思うがニュアンスとして御理解頂きたい)「う~ん…じゃあKくんかな。」と答えた。

次の日幼稚園でK君とMちゃんと私がエンカウントするとMちゃんがすかさず「この子K君のこと好きなんだって!!」と言おうとしたので髪の毛を引っ掴んで口を抑えて止めようとしたが止めることは出来ず、そこから先生が止めに来るまでの大喧嘩になった。

先生に理由を聞かれても言わなかった。
だってK君に恋愛感情なんか持ってなかったのに、
そこからもう卒園するまで気まずくて話せなくなってしまった。迎えに来た親にも喧嘩のことは報告されたが、Mちゃんへの怒りを抱えたまま黙秘するしかなかった。

自我が芽生え、人間関係とは始まった瞬間に地獄なのだろうか。

・・・

こんな事も覚えている。

3月3日のひな祭り、先生が作ったお雛様とお内裏様の顔はめパネルで男女ペアで1人ずつ写真を撮らなければならなかった。
ペアはくじ引きかなにかで適当に決めてくれれば良いものを、好きな相手を自分で選び、選ばれた側は何回でも異性と写真を撮られるというシステムだった。
そのクラスで大変モテていた男の子がおり、女子の指名は一極集中した。人気と勢いに乗じて私もそのモテ男を指名してさっさと撮影を終わらせたらよかったものの、誰も選べなかった私は最後の1人になってしまった。

早くしなよという空気と、誰でもいいんだよ!などという皆や先生からの声。こういう場合、解決に時は役立たない。グズグズすればするほど解決から遠ざかるものだ。
でももう遅かった。私の頭の中では「コイツと撮るのだけは絶対に嫌だな」というワースト1が居るだけで、他の有象無象から1人を選ぶことがどうしてもできない。

暫く経つと、「俺一緒に撮るよ。」と名乗りをあげた人がいた。
私が選んだワースト1その人だった。先生はホッとしていて嫌だとも言えず、出来上がった写真の私は心底嫌そうな顔だった。今思うとワースト1の彼は凄くいい子だし、思考も行動も顔もワースト1なのは自分自身である。


季節は変わって夏のお泊まり学習。
大学付属の幼稚園だった為教育課程の大学生達がインディアンに扮してやってきた。焚き火を焚いて踊り、最後には打ち上げ花火をあげた。

隣にいた友達は「きれーい!一生わすれなーい!!」と言っていたが、私は市販の打ち上げ花火思ったよりショボイな、と考えていたので(一生なんて絶対覚えてないだろ)と思っていた。

その子は多分忘れてしまっただろうが、一生なんて絶対覚えてないだろと思った自分は何故か25年近く覚えたままでいる。


私はHSPとかいう、特にセンシティブな性格傾向の人間らしいが小さなことをよく覚えているのもHSPの特徴らしいとネットの記事で読んだ。

人間1個体に蓄積されたどうでもいいキャッシュを自動でも手動でもいいから消す方法があればいいのに。

・・・
でも本当のことをいうと、
Mちゃんとの大喧嘩の前の日、自分がK君に対して本当に恋愛感情がなかったのか、或いはMちゃんには絶対言いたくないと思って言わなかったのかどうかは自信がなくハッキリと思い出すことができない。

自分に都合の悪いことは案外すぐ忘れるのかもしれない。